ついにムカデが出没した。

【虫が嫌いな方はお気をつけ下さい。】

ついに遭遇した。
湿気が好きで、梅雨が近づくと姿を現すという。ムカデだ。


【ムカデと戦う】

ワイン片手にほろ酔いでアベンジャーズ2を見ていると、部屋の中でぱたん、と乾いた音がした。私からほんの1m先に、いた。

壁からは約50cm。位置からすると、天井を這っていたところをうっかり落ちてきたのだろうか。足が上に向いてしまったらしく、ぐりんぐりんと全身をうねらせながら体勢を整えようとしている。この世のものとは思えないその動きに、叫ぶのも忘れて見入ってしまった。長さは約15cmほどだろうか。足がたくさんついているのが見えたけれど、今思うと「百足」の割に意外と少ない。

何度も脳内で訓練してきたとおり、玄関脇に設置してある長いトング(参考記事:田舎暮らしで驚いたこと。〜虫と共存する。)を持ってきた。危うくムカデはすっかり体勢を整えてさくさくと歩き出していたので、すかさず背後からトングで捕える。「やべえ!捕まった!!」とばかりに全力でじたばたするので、トングをぎゅっと強く握る。足がとれてしまったらかわいそうだなあとも思うけれど、それどころではない。ガムテームもビニール袋も用意する余裕がなく、とりあえず玄関から外に放り出してから急いでドアをしめた。とりあえず一件落着だが、振り出しに戻っただけという気もしなくはない。


【ムカデ対策を施す】

1匹いると10匹はいる、と言われるムカデである。次はいつ来るかわからない。

・蚊帳を吊る
蚊帳
昨年(まだムカデも見ていなかったのに)あまりの恐怖から購入した蚊帳をベッドに設置した。「ムカデは下から入ってくる」と聞いたのでテントタイプの蚊帳も持ってはいるが、とにかく「突然上から落ちてくる」という恐怖が拭い去れないのと、テントタイプは出入りが面倒なのでとりあえずこの形でいこうと思う。ちなみにこれはIKEAで買った蚊帳。インテリアとしても可愛い。
・ヒノキのアロマを置く
効果については賛否両論のようだが、ムカデがヒノキ(またはペパーミント)の香りを苦手とするという説があるようだ。偶然、枕元にヒノキのアロマオイルをしみこませた素焼きストーンを置いている。オイルを数滴追加して、部屋中からヒノキの青い香りが漂うようにした。

・トングは有効
100均のトングのあまりの優秀さに驚いた。玄関に取りに行っている間に見失ってしまうという可能性も考えられるため、各部屋にひとつあるとより安心だ。寝ぼけていても万が一に対処できるよう、ベッドサイドにもひとつほしい。

・粉状の忌避剤を撒く
ムカデの習性を調べたところ、餌を求めて家に入るが基本的には外に住んでいるようだ。夜行性だというので、明日になったら家の周りを忌避剤で囲んでみようと思う。

・恐怖を捨てる
「怖い!」と思った瞬間に冷静な判断力は失われる。ムカデの季節はまだ始まったばかり。目の前にいても怖い、いなくても(どこかにいるかもしれないから)怖い、では私の心が摩耗してしまう。まずは己の恐怖に立ち向かうことから!と思い立ったので、どうしたらムカデを怖がらずにすむかを考えた。
あの造形。そして、動き。そういえば、前回のアベンジャーズに出てきたチタウリ軍の深海魚のような巨大魚(?)は、外殻が堅くて全身をうねらせると骨格がきらきらと光を反射するところが、どことなく似ている気がする。もしかしたら、ムカデは宇宙からやってきたのではないだろうか。
目的は、人類に恐怖を植え付けることだろうか。(だとしたら半分は成功していると思う。)よく考えたら、毒性も備えていて生命力も強いだなんて、あまりにチートすぎる。本当に宇宙人かもしれない。


虫だと思うから怖いのだ。
「恐れるな」とヨーダも言っていた。この夏、私も私の恐怖を乗り越えようと思う。

田舎暮らしで驚いたこと。〜虫と共存する。

【虫が苦手な方はお気をつけ下さい】

種田に引っ越してきて3週間。
想像していたより虫が少なくて、ほっとしている。

最初の頃は、家中箒で掃いてクイックルワイパーをかけて(私は掃除機が苦手で持っていない)戻ってきたら、さっきまで絶対になかったはずのわらじ虫の死体が廊下の真ん中にころんと落ちていて精神的に疲弊する…ということが頻繁にあったのだけれど、最近は目に見えて減ってきた。虫も「ここは人間のテリトリーになった」と認識してくれているのかもしれない。

とはいえ、前の家に比べたら虫との遭遇率は半端ない。

玄関横の木(何の木だろう)が毛虫の群れに食い荒らされていたり、大きく育った毛虫が庭を散歩していたり、さらに立派に育って蛾として飛び立ち、花をつけた庭木に集まってきていたり。
勝手口の外では半分ひからびたようなミミズに出会ったし、稀に迷い込んできたわらじ虫が部屋の真ん中を横切っている。軒下には古い蜂の巣があるが、現在は使われていないようだ。ここ最近はてんとう虫のような小さな昆虫も増えてきた。

遭遇率1位は蜘蛛だ。大人もいるが子供もいる。こうしている間にもこの家のどこかで増えているのかもしれない。しかし、私は小さな頃に蜘蛛が仕返しにくる昔話のようなものを聞かされて以来、蜘蛛を殺すことに対して絶対的な抵抗感がある。幸い、蜘蛛が怖いわけではなくただひたすら蜘蛛を殺すことが怖いだけなので、実害はない。しかも、他の虫を食べてくれる益虫だという。蜘蛛様々だと思っている。


【最凶の虫・ムカデ】

昨年秋に開催した国東市の移住者交流会では、参加者さんたちがムカデトークで盛り上がっていた。
「郵便受けを開けたらこんな大きな(20センチ強)のムカデがいた」
「寝ていたらムカデが天井から落ちてきたので、慌てて払ったら刺された」
など。都会からの移住者あるあるらしい。
最近では「ムカデはカップル間の絆が強いので、一匹殺すと必ずもう一匹が仕返しにくる」というまるで都市伝説のようなムカデの習性を聞いた。(殺さずにビニール袋に入れて捨てるといいそうだ。)

幸か不幸か、私はこれまで生きてきて未だムカデに遭遇したことがない。しかし皆の話のあまりの熱の入りように恐れ戦き、いつムカデが上から落ちてきてもいいように蚊帳を買った。その後「吊るすタイプの蚊帳だと下から入ってくることもある」と聞いてさらにテントタイプの蚊帳も買った。
とりあえず体勢は万全だ。


【実際に虫に遭遇したら…】

・トング
 これは便利!と聞いたので、100均で長めのトングを買ってみた。長いので(50〜60センチほど)虫に対して一定の距離を確保できる上、さすが「挟んでつかむ」ことに特化した道具だけあって、小さい虫でも思った以上に簡単にキャッチできる。

・ガムテープ
 ムカデが出たらガムテープを長めに切って上から押さえ、半分に折ってゴミ箱に捨てると殺さず捨てられて良いらしい。

・恐怖心を捨てる
 私はなぜ虫を恐れるのか。
 蚊や蜂、ムカデのようにこちらに危害を加えてくる虫はともかく、「見た目が異質である」というだけの理由で不必要に恐れてはいないだろうか。
 そんなことを考え始めたので、そこらへんを歩いていたわらじ虫に試しに触れてみた。そのままつまみ上げてみると「わー!やめてー!」とでも言いたそうにじたばたする。意外と可愛い。触った感触もかなりドライで全く不快感はない。そういえば幼い頃は平気でバッタをつかんでいた気がする。あの頃の気持ちをいつの間に失ってしまったのだろう。虫は不快なものであるという「常識」をどこかで身につけてしまったのかもしれない。


 猫や犬、あるいは鳥や魚とも違って、虫にはまず背骨がないし足が多い。生き物として異質ではあるが、それはたしかにひとつの命である。
 しかも、ここまで書いて思ったのだが、タコイカエビあたりは背骨がなく足が多いという点において完全に虫に近い。なぜタコイカエビを食べるのに虫は食べられないのか。お茶にちょっと入ったからと言って「もう飲めない」と思ってしまうのか。
 思い込みの力がいかに強大なものか。
 (基本的に暇なので、)虫と戯れながら、そんなことを考えて過ごしている。

次回の驚いたこと:
 田舎暮らしで驚いたこと。〜鹿とひじき