国東市で車なし生活【2日目/自転車①】

前回の記事:国東市で車なし生活【1日目/徒歩】

今日は旧正月。海から昇る初日の出を拝もうと夜明けとともに目を覚ましたが、残念ながら曇りだった。


【国東市サイクリングターミナル】

自転車を借りるべく、宿泊先のすぐ隣にある「道の駅くにさき」へ向かった。しかし建物が思いの外小さい。中に入ると完全に直売所だ。いったいどこで自転車が借りられるのだろうと思ったら「道の駅くにさき」は施設の総称で、海まで続く公園のような広い敷地に、観光案内所「国東市サイクリングターミナル」と飲食店と物産館と直売所がそれぞれ独立して建っている。木立の向こうが「国東市サイクリングターミナル」だった。
受付で「自転車を借りたいんですけど」と聞くと若い女性が応対してくれた。「どちらからですか?」「新潟です」「ええ!なんでまた」というやり取りを経て、ここまで来た経緯を伝える。すると彼女は「私も外から来たんです」と言って、大分市の出身であること、国東市に住み始めて1年以上経つこと、そして空き家を改修して住んでいるということを話してくれた。俄然私のテンションが上がる。「私も空き家に住みたくて!」と言うと「なんだったら今晩うち来ます?」と誘ってくれた。もちろん行くしかない。とりあえず連絡先をいただいてから、自転車の話に戻った。

「今日はどのあたりに行かれます?」「山のほうに行ってみたくて」と決めてないなりに漠然と答えると、「地図で見ると近く見えますけど、この辺から結構山ですよ」と地図を指しながら教えてくれた。「今日は風も強いし」と勧められたのは富来エリア。ここから海沿いを10キロほど行ったところにある。あれこれマップやガイドを見せてもらいながら、富来にある「松風」で「たこちゃんぽん」を食べて戻るというコースを辿ることにした。
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国東市の飲食店が30店舗掲載されている、国東市観光協会制作のフリーペーパー。
ざっと見た感じ、とり天とたこ飯が国東市の名物のようだ。


【くにさきサイクリングロード】

この道の駅くにさきを中心として、海沿いを南北にサイクリングロードが整備されている。(昨日空港から宿泊先まで歩いていたときにも看板を見かけた。)富来まで、国道ではなくこのサイクリングロードを通ることにした。「(行き止まりありのハラハラドキドキ)くにさきサイクリングマップ」という手作り感のある地図をもらう。フォントが少し小さくて気づくのが遅れたが、よく見ると名前がやばい。行き止まりってなんだろう…と思いながら、道の駅を出て川沿いを海へ向かった。
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サイクリングロードの各ポイントが画像と文章で説明されていてわかりやすい。
よく見るといちばん上に赤い文字で「行き止まりありのハラハラドキドキ」と書かれている。

続きはこちら:国東市で車なし生活【2日目/自転車②】

国東市で車なし生活【1日目/徒歩】

国東半島を(予算の都合等で)車を借りずに旅しようとした場合、いったいどれくらい見てまわれるのかもしくは見てまわれないのか。試しに、3日間レンタカーを借りずに過ごすことにした。

正午前に大分空港に着いた。
Googleマップによれば、予約しているホテルまで徒歩で1時間36分かかるらしい。それくらいなら歩けると踏んで、タクシーは使わず徒歩で向かってみることにする。ただし「歩き始めて30分後に『おなかもすいたし休みがてら昼食にしよう』と考えはじめるが、まわりに飲食店がなく空腹のままさらに1時間ただひたすら歩き続けるしかない」というケースを考えて(国東半島にはじめて来たとき、とりあえず空港から宇佐市に向かってしまったら道中で飲食店が本当に見つけられず、空腹のまま1時間ほど山道を運転したのでちょっと怯えている。)空港で少し早い昼食をとってから出発した。
今回予約した「ヴィラくにさき」(素泊まり6000円)は、空港へ続く国道沿いにある。地域おこし協力隊の面接が行われる国東市役所が徒歩圏内であることがいちばんの理由だが、近くの「道の駅くにさき」で自転車のレンタルを行っている(らしい)という情報と、国道沿いにあるのでバスが通っているのではないかという期待から決めた。道中では小雨がぱらついたり、菜の花の一群に心奪われたりして結局2時間ほどかかってしまったが、歩道は広くて歩きやすく飲食店も(国道沿いだし)数軒あって、空港からでも(気合いさえあれば)充分歩ける距離だといってもいい(ような気がしなくもない)。
ホテルに着いたら早速自転車を借りに行こうと思っていたのだが、ホテルの人に「5階に大浴場と岩盤浴がございます」と言われた瞬間に気持ちが完全に風呂に向いてしまい、「歩いて疲れたし、汗もかいたし」とかなんとか言いつつ誰もいない大浴場と岩盤浴とをすっかり堪能してしまった。気づいたら道の駅はすでに閉まっていて(午後5時までらしい)、今日は空港からホテルに着いただけで終わった。

明日は自転車を借りようと思っているのだが、やはり車がないとこのまま引きこもってしまうのではないかと若干の不安を抱いている。

古民家サロンでリフォームを学ぶ。

「(大分に行ったら)空き家をリフォームして住みたい」とあちこちで言っていたら、友人が「それなら咲屋さんに話を聞いてみるといいよ」と教えてくれた。

タイ古式マッサージのサロン「咲屋」は新潟市西区の住宅街にある。
サロンの他に貸しスペースをやっていて、私もイベントで2度訪れたことがあった。造りはいわゆる日本家屋だが、広々とした二間続きの和室から庭が見えて、すっきりと居心地の良い素敵な場所だったのを覚えている。オーナーの麻衣子さんは、築40年ほどの物件を自分で直して住んでいるのだそうだ。麻衣子さんに事情を伝えて「お邪魔したいです!」と言ってみると、二つ返事で了承してくれた。

翌々日、咲屋に伺った。
キッチンで椅子を勧めてもらい、お茶をいただく。白い壁際には観葉植物が置かれ、白いカーテンのかけられた窓から光がやわらかく差し込んでいる。明るい印象のキッチンだ。しかし話を伺ってみると、以前は床も壁ももっと暗い色だったらしい。全体的にどんよりとした雰囲気だったので床にクッションフロアを貼り壁を白に塗り替えたのだという。麻衣子さんはクッションフロアの境目を指して「素人仕事だからよく見ると雑だけど」と言うけれど、よくよく見てみなければ気にならない。
麻衣子さんは、この家の前にも古い一軒家を改造して住んでいたのだそうだ。そうやって手直しすること自体が好きなので、ある程度家が出来上がってくるとまた違う家に住みたい気持ちが出てくるのだとか。楽しそうに話す麻衣子さんを見ていると、こちらもついわくわくしてしまう。

その後、和室とサロンスペースも案内してもらい、手を加えた部分について丁寧に教えてもらった。たとえば、畳の上からござを敷く、照明を変える、砂壁を簾で隠す(簾は夏がお買い得らしい)など、ほんの一工夫で家の表情が変わる。「お金があればいいものが買えるのは当たり前。でもそれだと面白くないんだよね」と麻衣子さんは言う。

麻衣子さんの極意を私なりにまとめると、まずは家に何度も足を運ぶことからだ。
最初は(前の住人の荷物があったり障子が破れていたりして)「なんかちょっと違う」と思うかもしれないけれど、「ここの壁の色を変えたらどうなるだろう」「ここの襖を取り払ったら」「ここの照明を付け替えたら」と想像を膨らませていく。自分の住みたい部屋のイメージとその家のイメージが重なったら、あとは実現するだけだ。とにかく「こういう家に住みたいっていうヴィジョンをしっかり持つのが大事」だという。(たとえば、咲屋のコンセプトは和の雰囲気を残しつつもアジアンテイストを取り入れた空間で、正にそのとおりの場所に仕上がっている。)
「こうしたいっていう気持ちがあれば、あとは工夫次第でなんとかできるから」と話す麻衣子さんは生き生きとしていて、きっといかに工夫するかという部分に楽しみを見出しているのだと思った。


【今日のまとめ】

先月、実際に空き家を見てまわった結果ちょっと心が折れてしまい「久しぶりに1K暮らしもいいかも…(トイレが綺麗だし)」と思ったりもしたけれど、麻衣子さんのお話を聞いているうちに空き家を探したい気持ちががっつり再燃した。(麻衣子さんの名言「100均とホームセンターがあれば大丈夫」)(しかし水回りはきちんとしているところを選ぼうとも思った。)
お邪魔する前に麻衣子さんのブログ(くつろぎの古民家サロン咲屋~さくや~)を見ていたら「世界一気持ちいい」というタイ式マッサージを受けたくなってしまって、一通り案内してもらった後に施術してもらった。それはまた後日。