ついに大学院を辞めることにした。

実は、私は現役の大学院生だ。
専攻は税法。

5年ほど前に会計事務所に入り込んで税理士をめざしていたのだが、2年連続で税理士試験に落ち、大学院に入ることにした。(大学院で論文を書くと、5科目合格しなければいけない試験のうち2科目が免除されるというルートがある。)1年目は無事に終えたものの、2年に進級することなく休学届けを出し、国東半島に来て今に至る。

「大学院を辞めることにしました」というと、もったいないと言われることが多い。
入学金も払ってるし、今までとった単位が無駄になると感じるからだろう。
しかし、私が大学院で学ぶべきことはすでに学び終えたのだなという感覚がある。


国東半島に出会った

ひさしぶりの学生生活は楽しかった。
休みがたくさんあったので、それまで行ったことのなかった伊勢神宮や出雲大社、諏訪大社、斎場御嶽、セドナなどあちこちを訪れた。その流れで宇佐神宮行ってみようと思い立ち、じゃあ他にはどこを見ようかと考えた結果、ちょうど国東半島芸術祭が行われていたこともあって、別府・由布院ではなく国東半島に来た。
大学院生でなければ、こんなにあちこち出歩くこともなく、宇佐神宮に来ることもなく、当然国東半島に出会うこともなかっただろう。


地域おこし協力隊に出会った

専攻は税法だったが、一般教養で社会学系の授業をとっていた。
その勉強会で、新潟県十日町市の地域おこし協力隊として3年の任期を勤め、現在は独立して完全に十日町市に移住しているという方の話を聞く機会があった。(国東市の地域おこし協力隊に応募する。
地域の課題はどこでも共通しているのだなとも感じたし、これまでの経験を生かして地域に新たな風を吹き込もうとする活動はとても興味深かった。しかしそれよりも、地域おこし協力隊という制度をこの時はじめて知り、「これを使ったら国東半島に住めそう!」と、移住のハードルが格段に下がるきっかけになった。


休学という制度があった

国立の大学院だったので、2年間までの休学は学費がかからなかった。
戻る場所が確保されているという安心感は(あまり意識したことはなかったけれど)きっと私の中では大きかったと思う。
とりあえず行ってみて、もし合わなかったらまた大学院に戻ればいい。
仕事をしながら国東半島に出会う機会があったとしても、仕事を辞めてまで行くかと言われたらそこまでの熱意はなかっただろう。
そう考えると、やはり学生だったからこそ今の生活があるのだ。


国東で暮らして2年、これまでは区(自治会にあたる)に入っていなかった。「2年で帰るなら入らなくていいんじゃないか」と言われていたのだが、ついに帰らないことが決定したので、この4月から区に入ることに決めた。
集落の人に話したら「半年で1万とかかかるし、5月に入ったら木とか切らんといけんよ」と引き留めてくれたのだが、ここで生活させてもらっているのは私のほうだ。

何かが劇的に変わるということは特にないけれど、自分の中で大きな節目を迎えたような気がしている。